拳を固めてサワディカップ1-2
2日目、8:00起床。快晴だが、日が昇るまでは若干肌寒い。ホテル近くのアイリッシュバーでモーニングコーヒー。タイのスポーツ新聞を読みながら1時間ほどのんびりくつろいだ。ムエタイやボクサーを目指す若者が減っていると書いてある。経済成長著しい發展により就学率が上がり、バンコク出身者はわざわざキツイボクシングを目指す必要がなくなってきたということか。対岸の火事とは言っていられない。日本でも同様の現象は起きている。業界人として、もっとこのスポーツの魅力アピールや門戸の開放に力を入れないといけないと改めて思った。
ホテルに戻ってプールでひと泳ぎ。1時間ほど泳ぎ、体が目覚めたところで朝食兼昼食にでかけた。近所の屋台で20Bのクイッティアオを注文。昼近くなってくるとスクンビット通りにいつもの喧騒が戻ってきた。
クイーンシリキット駅の近くのヨッカオジムに顔を出す。初めて訪ねたジムだったが、自己紹介をするとオーナーやトレーナーは私のFACEBOOKを見ていたとのことで意気投合。お茶をごちそうになりながら、タイのムエタイ事情を教えてもらった。売出し中だという20歳の選手のミットを持ってくれないかと頼まれたので、3ラウンド、パンチを受けた。ゴツゴツとした重いパンチを打つ選手だった。今後の活躍を祈りたい。
14:00過ぎ、友人の大志君からバンコクに来ているんですかと電話。移転したチャッチャイのジムに行くことを伝えると、わかりにくい場所だから案内しますよと嬉しい申し出。15:00に車でホテルまで迎えに来てもらい同乗。
車を走らせて1時間ほど、ラップラオの倉庫街のようなところに新しいジムはあった。なるほど、この立地に一人で向かうのは大変だっただろう。改めて大志君の親切に感謝。
100坪はあるだろうか、以前とは比べ物にならないくらい立派なジムだった。
久しぶりに会うチャッチャイは元気そうで、この立派なジムに満足そうだった。スポーツメーカーがスポンサーに付いてくれたそうで経営の心配は今のところ大丈夫だという。せっかくなので少し体を動かそうと思い、サンドバックを打っていたら、トレーナーのトーンがミットを持ってくれた。3ラウンドでへとへとになってしまったが、いい汗をかいて気持ちよかった。
ジムを出て、大志君を今回のお礼に食事に誘う。サパンクワイの彼の自宅に戻り、車を置いた後、プラディパッドホテル隣のタイレストランに入る。乾杯の後、お互いの近況を話し、これからの予定やマッチメイクの展望を語り合った。
大志くんは実に変わった経歴の持ち主だ。国際マッチメイカーの青島氏とタイ女性の間に生まれたハーフで、タイの東大と言われるチュラロンコーン大学を優秀な成績で卒業。経済学を学び、将来は外資系の投資会社か調査会社にでも就職し、経済界で活躍するものと思っていたが、父親がボクシングマッチメイカーとして孤軍奮闘している姿を見て手伝おうと決意。右も左もわからない世界に飛び込んできた。以前タイに旅行に来たときに父親から大志君を紹介され、彼が成長するまで、ボクシングやボクシング界のイロハを教えてやってもらえないかと頼まれた。
タイ語、日本語、英語を巧みに操る彼のような人材はボクシング界にとって非常に貴重な存在だと思う。二つ返事で快諾し20歳近く年の離れた若者との友人関係が始まった。数年もすると彼は立派な国際マッチメイカーとして活躍していることだろう。再会を約束して別れた。