拳を固めてサワディカップ1-3
大志君と別れた後、ホテルへ帰ろうと思ったが、時刻は20:00。まだ眠れそうもないので、街を散策することにした。タクシーの運転手に行き先変更を告げ、シーロムへ向かった。
ここは昼間は高層ビルが立ち並ぶオフィス街で、夜になるとバンコク一番のナイトスポットに変身する。ゴーゴーバーやマッサージ店、カラオケ、風俗店が所狭しと立ち並ぶ歓楽街で、中でも日本人街のタニヤストリートは駐在員や旅行客向けな日本語記載のネオン看板が目白押しだ。ピンクや紫のネオンが眩しい通りを歩いていると、100人は超える際どい格好のオネーチャンたちが次々と怪しい日本語で呼び込みをかけてくる。
レートがいい両替所、タニヤスピリッツで円をバーツに変え、エキサイティングな熱気あふれるスリウォン通りのオープンカフェでシンハービールを飲んでいると、関西のT会長から電話があり、3月の大阪でのマッチメイクの相談があった。なかなか難しい条件だったが、帰国後がんばってまとめたいと思う。
せっかくシーロムに来たついでに、パッポンナイトマーケットに寄り、関会長のお土産に帽子やTシャツを買った。冗談のようなボッタクリ定価から値切り交渉を楽しみ、結局半額くらいで購入するのがマーケットの買い物のやり方だ。面倒臭くなることもあるが、人懐っこいタイ人とのこういう形でのやり取りは基本楽しい。
歩き疲れたので、カフェの向かいのマッサージ屋に入る。タイ古式マッサージとフットマッサージ1時間で350B。場所柄、片言の日本語を話す小柄なおばちゃんにタイ語のレッスンを受けながらの快適なマッサージだった。彼女曰く、結婚・出産後、亭主が事故に遭い働けなくなったので、亭主と子供を家賃のかからない田舎の実家に預け、マッサージ師としてバンコクに出稼ぎに出てきたのだという。気の毒そうな顔をして聞いている私の背中をピシャっと叩き、そんな顔しないの。楽しいと思えば楽しいのよ、と実に楽しそうに笑っていた。
店を出るとタイの名物、スコールが盛大に降り出した。
地下鉄シーロム駅の所に立派な歩道橋があり、その下で雨宿りをした。この歩道橋は日本とバンコク共同で建造したものらしく、橋の前面に大きな文字で「タイ-日本の架け橋」と書いてある。
私の帰国後すぐに来日するタイ選手のサポートや、たて込むマッチメイクなどでこれから忙しい毎日になるが、いいリフレッシュになった。
今回もタイに来てよかった。